中国・武漢から始まった新型コロナウイルス感染が世界に広がり、WHOはパンデミックであるとの見解を表明した。
観光大国イタリアでは全土移動制限、セリエAにも影響、アメリカではハリウッドスターまでもが感染。
世界にまだまだ広がりそうで、欧米はこれからが正念場。
WHOで「パンデミック」と表明
世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスの流行はパンデミック(世界的な大流行)になったとの見解を表明した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はスイス・ジュネーブで開いた記者会見で「COVID-19は今やパンデミックであると言える」と表明。今後、感染者と死者は増えるとの見通しを示し、「コロナウイルスによるパンデミックはこれまで発生したことがなかった」と述べた。
イタリア
中国に次いで感染者が多くなってしまったイタリア。イタリアは感染者が1万人を超えた。
10日~イタリア全土で移動制限。スーパーや薬局以外は閉店、イタリア政府の通達で店舗やレストランでは客が1m以上距離を置くこととし、スーパーでは入店制限、人は間隔を置いて並んでいる。
なぜこんなに広がったか?
感染が始まった当初の入国規制が緩かった、イタリアの医療体制(医療施設の減少、医師・看護師の人数削減)が原因とも言われている。
まだ、科学的な分析はないが、イタリアの“文化”が関係しているのではないかとの声がある。イタリア人は日常の挨拶でキスやハグをする習慣がある。1日に何度も人と接触する習慣によって感染が広がるのではないかといわれている。
キスやハグ、握手、ビズといった日常の挨拶習慣はイタリアだけでなくヨーロッパではよく行われる習慣・文化。
●イタリア政府:握手やハグを禁止する法令
●フランス保健省:ビズや握手をやめる
オランダ マルク・ルッテ首相は会見で「今後握手をやめましょう」といい肘タッチ等を勧めるが、その直後握手をして本人もびっくりするという場面があり、やはり習慣を急に変えるというのは難しいものです。
アメリカ
アメリカではハリウッド俳優まで感染が広がっている。
米俳優トム・ハンクス(Tom Hanks)さん(63)と妻で米女優・歌手のリタ・ウィルソン(Rita Wilson)さん(63)が、映画撮影のためにオーストラリアに滞在中、新型コロナウイルスに感染していたことが分かった。ハンクスさんが11日、明らかにした。
クイーンズランド(Queensland)州保健当局によると、ハンクスさん夫妻は新型ウイルスへの感染が確認された後、東部ゴールドコースト(Gold Coast)の病院で隔離された。
ハンクスさんは大物ハリウッドスターとして初めて、新型コロナウイルスへの感染を公表した。
ハンクスさんは、過去に2型糖尿病であると告白したことがあり心配です。
インフルエンザ10倍の致死率との分析結果
米国立アレルギー・感染症研究所、ファウチ所長:「コロナウイルスの死亡率は約1%、つまり季節性のインフルエンザの10倍だ」
アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は「今、思い切った封じ込め策を取らなければ百万人単位の感染者もあり得る」との見方を示しました。ファウチ所長はホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームの一人で、政府の新型コロナ対策を陣頭指揮している人物です。
一方、ホワイトハウスのオブライエン大統領補佐官は講演で、中国政府の初動対応について「武漢での感染拡大は隠蔽された。実情を知る医師たちは沈黙したか隔離された。そのため、世界各国によるウイルスの封じ込めは2カ月遅れることになった」と強く批判しました。
未知のウイルス、専門家の分析を今後も注目したい。
アフリカ
専門家からはアフリカでの感染を心配する声も上がっているが、アフリカでは大量のバッタが発生し食物を食い荒らし悩まされているとのこと。ここに新型コロナウイルスが感染拡大したらWの痛手だ。
いま、アフリカ・ケニアの農地や砂漠には、空が真っ黒に覆われる異常な光景が広がっている。5~7cmのバッタが大量発生し、1億匹もの群れを作っているのだ。
1億匹のバッタの群れは、一日で約9万人分の作物を食べ尽くす。アフリカでは、バッタの大量発生を「神の罰」と呼ぶほどだ。
大量発生は数年ごとに起きるが、今年は国連食糧農業機関(FAO)が「前例のない脅威だ」と呼び掛けるほど深刻な事態になっている。なんと、1300万人がバッタのせいで食糧不足に悩まされているというのだ。
しかも、アフリカの政情不安により、被害の拡大は止まる様子がない。
バッタの大量発生は、地球温暖化も影響しているという。