10月1日、中国が建国記念日を迎えた夜、香港でデモ隊に対し警官が市民に実弾を発砲、高校2年の男子生徒が撃たれ重体と報道された。
地元メディアは胸のあたりを撃たれたと現場で手当てをし病院に搬送。
撃たれた高校生の無事を祈る声がネットに多数あった。
この日の警察・デモ隊との衝突で180人以上が拘束されたと盧偉聡・警務処長が発表。
高校生命取り留める
銃弾は高校生の体内で分裂し、肋骨(ろっこつ)と肺にとどまっていた。心臓から約3センチの位置だった。
香港メディアによると、男子生徒は1日夕に撃たれた後、搬送先の病院で約4時間にわたる緊急手術を受け体内に残っていた実弾を取り除いた。実弾は心臓まで3センチのところに達していた。容体は安定しており命に別条はないという。
盧処長によると、警察は1日、4カ所の現場で計6発の実弾を発砲した。重体になった男子生徒以外、発砲による負傷者はいないという。デモ隊との衝突で、警官25人が負傷したという。
医院管理局によると、1日の衝突に伴う負傷者は2日朝時点で104人。男子生徒は重体ではなくなったが、その他にまだ2人が重体だという。この2人が負傷した経緯は明らかになっていない。
黒い服
10月1日は、中国の建国記念日だが、香港にとっては国難の日と喪に服す意味をこめて黒い服を着ようと呼びかけがあった。
9月30日夜には、「香港を取り戻そう」と人々が訴え、数キロにわたって手をつなぎ「人間の鎖」をつくった。
10月1日
集まった抗議者に向けて警察が催涙弾、放水等をし、デモ隊は火炎瓶を投げ込む。
辺りではバイクが引火、炎が上がり、道路にはデモ隊が投げたレンガの破片が散乱。
衝突が激しくなる中、警察が市民に向けて発砲。
映像では、撃たれた男性をかばおうと駆け寄った別のデモ参加者を馬乗りになって押さえつける様子もとらえられていた。
中国北京では
1日、天安門広場では、中国建国70年を祝うパレード、式典が行われた。
習近平国家主席は
いかなる勢力をもってしても
中華民族が前進する歩みを止めることはできない
香港、マカオの長期的な繁栄や安定を保持していかなくてはいけない
等と香港についても触れる。
軍事パレード
過去最大の軍事パレード、今回の軍事パレードで一番注目されたのは、東風41だと言う。
自衛隊前統合幕僚長・河野克俊氏「東風41、今回、鳴り物入りで出てきたやつです。これはアメリカ全土を射程におさめるとされています。これの特徴は、ICBMだが、個別誘導複数弾頭、いわゆるMIRVというけど、10個の弾頭があって、それぞれの目標に向かっていくと。もうひとつの特徴は、これは固体燃料ですので、非常に即応性が高いということで、これはアメリカにとっては大きな脅威にはなると思う。このように複数弾頭と固体燃料という即応性の高いミサイルを改良したという点で、東風41は注目されていると」
新型の無人機、敵のレーダーに探知されにくい最新鋭のステルス戦闘機「殲20」が低空で飛行。軍事車両約580台、航空機約160機がパレードで披露されました。
香港での抗議活動やアメリカとの貿易摩擦が続く中、強く豊かな中国を演出し求心力を高めたい狙いがあると思われます。
発砲について
警察は深夜に会見を開き、高校生が撃たれた現場を含む複数の場所で、あわせて6発の実弾を発砲したことを認めた。「現場にいた警察官の命が脅かされたため」とコメントしている。
国営テレビのニュースも建国70年の記念式典一色で、香港での抗議活動や高校生が警官に撃たれたことは報道されていない。
今回の発砲について、アメリカ政府高官は、「アメリカは、殺傷能力のある武器のいかなる不当な使用も断固非難する」とコメント。
イギリス外務省は、「暴力は何の言い訳もできず、香港市民の懸念に対処する建設的な対話が必要だ」という声明を発表した。
デモ制圧とはいえ武装した警察が銃も持っていないだろう子供を撃った事実はかなり重い。
JNNコメントより