水の都 ベネチア 街の7割が冠水 記録的な高潮 イタリア大雨・暴風
ベネチアのこの時期は、アックア・アルタという高潮により街が冠水します。通常は慣れた感じで高く板の歩く台を据え対応しますが、今回は150㎝以上、街の4分の3が冠水ということで大変危険です。専門家により大規模な対策もされていますが、心痛む光景で本当に沈んでしまわないか心配になります。
ベネチア記録的な高潮
ベネチアでは例年10~12月に高潮が起きやすくなるが、この日の水位は約160センチと、1979年12月以来の上昇幅を記録した。これまでの最高記録は66年の194センチ。
イタリア北部が低気圧に覆われたうえ、強い南風で海水が吹き寄せられた。
市内では観光客や住民らが腰まで水に浸かり、浸水した売店やレストランの従業員がバケツで水をくみ出す姿もみられた。
市中心部のサンマルコ広場は広大な湖と化し、板を渡した臨時通路が設置された。
イタリアで「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮により、運河の水位は通常より150cmも上昇。
サンマルコ広場閉鎖 水上バス運休
これまでに観光地のサンマルコ広場などが閉鎖されたほか、水上バスの運行も取りやめられました。
世界で一番美しいと言われた広場も
街の様子
カフェの椅子もプカプカ浮いています。道も水の中。
お店の中も水が。人々の作業も大変。水も冷たいだろうし…。雨水ではなく海水なので建物も心配です。
アックア・アルタとは
アックア・アルタは、元々はイタリア語で満潮を指す言葉であるが、イタリア北部のヴェネト州ではアドリア海北部で定期的に発生する異常潮位現象を指してこの言葉を用いている。アクア・アルタとも書かれる。
1923年以降の特別な高潮
- 1966年11月4日;194 cm(最高位)
- 1979年12月22日;166 cm
- 1986年2月1日;158 cm
- 2008年12月1日;156 cm
- 1951年11月12日;151 cm
- 1936年4月16日;147 cm
- 2002年11月16日;147 cm
- 2009年12月25日;145 cm
- 1960年10月15日;145 cm
- 2009年12月23日;144 cm
- 1968年11月3日;144 cm
- 2000年11月6日;144 cm
- 2009年12月23日;143 cm
- 1992年12月8日;142 cm
- 1979年2月17日;140 cm
対策
モーゼ・プロジェクト:プロジェクトでは、79枚もの300トン級可動式防護壁をヴェネチアの潟とアドリア海の境に設置することになっており、これが完成すれば劇的に特別な高潮の被害を減らせることが期待されている。
多くの問題を抱えていることもあり、あまり進捗していないのが現状である。
普段は水中に沈められているため壁を確認することはできないが、アックア・アルタの際は壁を一時的に上げることで都市を守る防護壁を形成する仕組みである。
イタリア 大雨・暴風で犠牲者
大雨や暴風などの悪天候に見舞われたイタリアでは、土砂崩れなどが各地で相次ぎ、3日までに、あわせて17人の死亡が確認されました。土砂崩れによる倒木などで多くの犠牲者が出たほか、雷に打たれ死亡した人もいるということです。
北東部の都市ベルーノでは根元から折れた木々が山あいのダムを埋め尽くしたり、道路や橋が崩落するなどの被害が出ています。