イルカのハニーを助けて 閉館水族館に1頭残され心配の声多数 譲渡先難航
今年1月末に施設の老朽化等により閉館した銚子市の水族館「犬吠埼マリンパーク」で、現在もイルカ1頭が施設内の屋外プールで飼育されている。イルカはメスのバンドウイルカで名前はハニー。一緒に飼われていた別の雌イルカが、昨年末ごろ死に、現在は1頭のみで閉館後も同施設の運営会社・従業員が餌やりをしている。
イルカのハニーを早く助けて
2018年1月末で閉館した千葉県銚子市内の水族館「犬吠埼マリンパーク」で、イルカがまだ他の施設に移されておらず、大丈夫なのかとネット上で心配する声が上がっている。
市では、「マリンパークと連絡がつかない」と困惑した様子だが、運営が民間のため、どうすることもできないようだ。
■2万件ほどもリツイートされるほどの反響
「ひとりぼっちで、可哀想すぎる」「早く何処か引き取ってあげて!」。ツイッター上では、閉館してから、マリンパークに残されたメスのイルカ「ハニー」について、こんな声が次々に書き込まれている。
バンドウイルカとは
バンドウイルカ(ハンドウイルカ)はもっともよく見られるイルカの仲間で、世界の温帯から熱帯海域で暮らしています。日本近海でも見られるが、分布域は広い。基本的な群れは2~12頭程のポッドと呼ばれもので、ポッドはふつう雌とその子どもたちから構成されている。
どうしてこんなことに
「犬吠埼マリンパーク」は、市が1954年に設置した水族館。63年に民間に売却、民間の水族館になった。
犬吠埼灯台の近隣にあり、観光スポットの一つになっており、約230種、2500匹の魚が泳ぐ姿を見学できた。
来館者数は、2010年までの5年間は年に約11万9千~7万4千人の間で推移、市民や観光客に親しまれていました。
2011年の東日本大震災以降は客足が遠のき11年から16年には約5万9千~4万9千人にまで落ち込んでいた。
昨年12月水槽の透明度は1メートル程度、千葉県海匝保健所は「プールの底が見えないような状況はイルカにとって良くない」と、水の入れ替えを頻繁に行い水質を改善するよう行政指導した。現在「水質に問題はない」とのこと。
運営会社は「東京電力福島第1原発事故の影響を受け、学校などの団体客が極端に減少し、回復していない」と話し、「老朽化するボイラーの入れ替えなど多額の投資が必要だが、難しい」と閉館の理由を説明した。
動物愛護団体でも心配の声
動物愛護団体「PEACE」(東京都豊島区)東(あずま)さちこ代表は
「背中の傷は、ほとんど消えている状況です。水も、一番酷かったときほど濁ってはいません。でも、1匹だけで仲間もいないのは、群れで暮らすイルカにとってよくないでしょう。ゆくゆくは、専門知識があり、自然の海の環境に近い海外のサンクチュアリに受け入れてもらいたいと思っています」
銚子市の観光商工課は
「4月までは、譲渡先を探して相手方と交渉していると聞いていましたが、それ以降は、連絡がつかなくなっています。現地も、『私有地につき立ち入り禁止』とロープが張ってあって、中に入れません。イルカやペンギンは、目視できますので、生きているのを確認してはいます」
銚子市の観光商工課は、マリンパークとのやり取りに困っている現状。
「ハニーを助けて」と訴えるはがきやメールは次々と届いているようです。運搬費用の問題もあるようですが、早く何とかしてあげたいですね。